更新日 : 2000/05/16
ア行
カ行
サ行
タ行
ハ行
ナ行はありません。
第1章 ビールのスタイルに関する用語へ
第3章 ビールの特徴をあらわす用語
第4章 テイスティングに関する用語
ビールについて(TOP)へ
神戸で、地ビールを造っている渡邉克彦様(株式会社サッポロ神戸大使館醸造所)の
ご好意により、内容を紹介致します。
ビールは、麦芽・ホップ・酵母・水を原料として作られます。
ほかに米・コーン・でんぷんなどを副原料として使う場合もありますが、
それにしてもこれだけの材料で多様なスタイルのビールができるのであろうか。
フルーティーなアロマや香ばしいフレーバー、ゴールドやブラウンなどの綺麗な
色合い、真っ白なきめ細かい泡などはどうやって造られるのであろうか。
ビールなのにアルコール度数の高いものができるのはなぜなのか。
いろんなビールに出会えば出会うほど、知りたいことがたくさん出てきます。
そこで、醸造関係の用語の中からそうした疑問にこたえる言葉を選んでみました。
旅の途中や地元の地ビール・レストランに入ったときなども、こうした知識を持って
いれば醸造担当者から話を聞いても、そのビールをよりよく知ることができるかもしれません。
【第2章 醸造に関する用語】
【アイシングラス】
チョウザメなど細長い魚の浮袋から作られたゼラチン状の物質。
清澄剤として使われる。出来上がったビールの中に浮遊している
酵母を沈殿させる。酵母はアイシングラスの静電気によって引き寄せ
られて、固まりとなってタンクの底に沈降する。
【アイリッシュモス】
ビールの白濁の原因となる蛋白質を沈降させるために使われる海藻
の一首。
【アミノ酸】
蛋白質を構成している有機酸の総称。酵母の醗酵に欠かせない栄養
分である。
【アミラーゼ】
麦芽に含まれるデンプンを醗酵しやすい糖分に分解する酵素。
【エアレーション】
麦汁に酸素を溶け込ませる事。ビールを上手に醗酵させるためには、
麦汁に適度に酸素が溶け込んでいなければ酵母の働きは鈍くなり、
十分な醗酵が行われない。
【エイジング】
醗酵の終わったビールを休ませ、飲める状態になるまで静かに寝かせて
おく工程(貯蔵工程)。エイジングによって、酵母やその他の粒子を沈殿させ
るとともに、醗酵に伴う副産物やオフフレーバー(そのビールにふさわしくない
におい)を除去させる役割を持つ。
【エクストラクト】
水に溶けている糖分の量。通常、麦芽など糖分の源となる材料1Kgが10L
の水に溶解している時の比重値で示される。
【第2章 醸造に関する用語】
【カーボネーション】
ビールに泡のもとになる炭酸ガスを溶け込ませること。
炭酸ガスは、ビールの口当たりをよくするとともに香味成分の変質
を防いで鮮度を保つ役割を果たす。
カーボネーションの方法はには、ボンベから炭酸ガスを貯酒タンクに
注入するカーボナーティングストーン法、ボトルやカスクにビールを詰め
るときに糖分を投入するプライミング法、醗酵を終えたビールに醗酵前
の麦汁を加えて炭酸ガスを発生させるクロイゼニング法などがある。
最もきめ細かい泡ができるのはクロイゼニング法で、次がプライミング法である。
【下面醗酵】
サッカロマイセス・セルビジュウムという種の酵母を使い、10℃前後または
それより低温で行う醗酵法。酵母が醗酵中にビールの中を漂い、醗酵が終える
とタンクの底に沈降するので下面醗酵と呼ぶ。
醗酵の速度は遅いが、すっきりした味わいのビールを造ることができ、ピルスナー
などラガー系のビールはこの方法で作られる。
【ケグ/カスク】
ステンレス、アルミもしくは木製の樽型ビール容器。
ケグとカスクは形は似ているが、ケグにはあらかじめ濾過してカーボネーション
をほどこしたビールを詰め、注ぐときはビールに炭酸ガスや窒素ガスなどで圧力
をかけて押し出す。一方、カスクには生きている酵母が入っているビールを詰め
熟成とカーボネーションを行った後、ガスの圧力を借りずハンドポンプで汲み出
してグラスに注ぐ。
【酵母/ イースト】
麦汁に溶けている糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する単細胞の菌類。
ビール酵母は、エール用の上面醗酵酵母とラガー用の下面醗酵酵母とに大別される。
それぞれ多様な種類があり、細胞増殖率、活動する温度の範囲、アルコール生成能力
に違いがある。また醗酵で生成されるアロマやフレーバーは酵母によって異なるの
で、酵母は醸造所の宝とされる。自家培養の酵母を門外不出としている醸造所が多い。
【小麦/ウィート】
バイツェンやホワイトビールには、大麦麦芽に加えて小麦が30〜70%ほど使
われる。小麦を多く使うと、爽やかな酸味とフルーティーなあざわいが醸し出される
ほか、低温で白濁することが特徴。また、小麦は泡立ちをよくし、口当たりを滑らか
にするので、5%程度の割合でペールエールやラガー系のビールにも使われることが
ある。
【第2章 醸造に関する用語】
【濁度計】
ビールの濁り具合を測定する機器。ビールの濁りは光の波長によって
異なって見えるので、光の色が違うと計測結果も変わる。また、同じビール
でもボトル毎に濁りの程度が異なる場合が多い。
濁度はEBC(European Brewery Convention)もしくはASBC(American
Society of Brewing Chemists)と言う単位で示される。
濁度計で得た数値と目で見た濁度の関係は以下のようになります。
| 目で見た状態 | EBC | ASBC |
|---|---|---|
| 濁りがわからないほど澄んでいる | 0.5 | 35 |
| よく見るとわずかに濁りがある | 1.0 | 70 |
| 少し濁りがある | 2.0 | 140 |
| はっきりと濁っている | 4.0 | 280 |
| すごく濁っている | 8.0 | 560 |
【最終比重】
醗酵が終わったビールに含まれている糖分の濃度。ビールの醗酵中、酵母は
糖分を食ってアルコールと炭酸ガスを吐き出すが、糖分をすべて食い尽くすわけでは
ない。最終比重は酵母が食い残した糖分の残量をあらわすもの。普段飲んでるビール
の最終比重を調べるには、グラスを2つ用意し交互にビールを入れ替えて炭酸ガスを
抜いてから比重計で測る。糖度(プラトーまたはボーリング)の目盛りを読むと、バド
ワイザーのようなアメリカン・ラガーは1.5〜2.5と低く、セレブラトールのような
ドッペルボックは5〜7と高いことがわかる。この数字が大きいほどコクがあり、小さ
いほど切れがよい。
【仕込釜】
挽き割りにした麦芽を湯に浸けてでんぷんを抽出し、当分に変えるために
64〜70℃の温度で暖めてやる装置。糖化釜・糖化槽ともいう。低めの温度で糖化する
と醗酵性の糖分が多く抽出されるので、醗酵度の高いすっきりした味わいのビールが
できる。高めの温度で糖化させると非醗酵性の糖分が多くなるので芳醇でこくのある
ビールができる。
【仕込水】
ビールの原料とした使われる水。酵母の栄養源であるカルシウムなどのミネ
ラルが適度に含まれていなければならない。エールや濃いラガーには硬水、ゴールド
色のピルスナーには軟水が使われる。糖分の抽出を高めるためにはやや酸性(PH5.2〜
5.8)の水が望ましい。
【上面醗酵】
サッカロマイセス・セレビジアという種の酵母を使い。20℃前後の高温で行
う醗酵法。醗酵中、酵母がビールの表面に固まりとなって浮かび上がっているので上
面醗酵と呼ばれる。醗酵時間が短く、エステル香やフルーティーな芳香を醸し出すの
が特徴。エール系のビールはすべてこの方法で造られる。上面醗酵酵母には醗酵度の
高いものがあり、アルコール分の強いビールを造ることができる。
【自然醗酵】
培養した酵母を使わずに、空気中に浮遊している野生酵母で醗酵させること。
古代のメソポタミアやエジプトでは、この方法でビールを造っていた。現代でも
ベルギーのランビックは、ブリュッセル市南西のペヨッテンラントの谷に生息するブ
レタノマイセス・ブリッセリンシスという野生酵母を麦汁に取り込んで醗酵させてい
る。
【初期比重】
醗酵前の麦汁の糖度濃度をあらわす単位。初期比重は、、水の比重1.000を
基準に、麦汁の質量がどれだけあるかを示す。比重表示のほか、麦汁に溶けている糖
分の量をパーセントであらわすこともでき、これを麦汁濃度という。(プラトーもし
くはボーリングともいう)。初期比重をあげると、アルコール度数が高く、ボディの
強いビールができる。したがって初期比重はアルコール分やコク・キレの度合いを決
める上で重要なファクターである。
【第2章 醸造に関する用語】
【麦汁】
麦芽から抽出した糖分を多く含む溶液。仕込釜で造られる。
【醗酵度】
麦汁に含まれる糖分がアルコールに転化される度合い。
通常は70〜75%だが、麦汁に含まれる糖分の性質や酵母
によって60〜80%の幅がある。
【瓶内熟成】
生きている酵母がはっているビールに新たに糖分を加えて
ボトルに詰め、2次醗酵させること。
アルコール度数や貯蔵の状態にもよるが、5年間は熟成を続ける。
トラピストや修道院ビールに多い。
【ホップ】
ホップの役割は、ビールに苦みを与えることと、アロマとフレーバー
をつけること、防腐剤としてビールの保存性を高めることの3つ。
苦みをつけるホップをビタリング・ホップ、アロマやフレーバーをつけ
るホップをフィニシング・ホップという。
苦みの度合いやアロマとフレーバーの特質は、ホップの品種により
大きく異なるので、ビールのスタイルを判断する上で重要な鍵となる。
たとえば、イングリシュ・ペールエールにはケントゴールディングスなど
の英国産のホップ、ジャーマン・ピルスナーにはハラタウミッテルフリュ
などのドイツ産のホップ、ボヘミア・ピルスナーにはチェコ産のザーツホップ、
アメリカン・ペールエールにはカスケードなどのホップを使うことが原則である。
【ホップのアロマとフレーバー】
ホップのアロマとフレーバーは、スパイス系、ハーブ系、フラワー系、
柑橘系、パイン系に分類できる。一般的にいってドイツ産ホップは香水
を思わせるスパイシーな香り、英国産ホップはバラのようなフローラルな香り、
アメリカ産ホップはレモンやオレンジに似た柑橘系のか落ちを特徴とする。
【第2章 醸造に関する用語】